マスク鬱・マスクうつ対策協議会

健康対策協議会

 こんにちは!初老薬剤師くにじぃです。

 現代人の心の病として、名前を知られている鬱病・うつ病ですが、名前は知られていても、その実情が知られていないのが、鬱病・うつ病であります。

 今回のコロナ騒ぎのように、目に見えない病原ウイルス。さらに、自粛による日常生活の破調。解雇や経営不振といった社会的な異変は、あなたの心にも大きなダメージを与えています。

 身体的な病症は炎症や出血、内臓機能を推し量る検査数値で把握することが可能ですが、心の病は、数値や視診によって判断することのできない分野であるため、まず、本人自身が病的状況であるという判断がつきにくいものなんです。

 小生は、心理学者でもなく、精神科医でもありませんが、40年間薬局薬剤師として、のべ数百万人の患者さんと日々接してきました。

 身体に病変があることで来局する患者さんの多くが、精神的にも異変を生じており、調剤投薬や選薬相談を通じて、徐々に身体的病変(痛みや検査値など)が改善していくに従い、その患者さんの心の状態も改善していく様子を確認してきました。

 これは、身体的な病変が、精神的ストレスを与え、それによって心も一緒に病になるという、実に人間の本質を表した事実であると考えます。

 そんな方々も、これまたほとんどの患者さんが、自分の心の異変に気が付いていない場合が多いのも事実です。

 眠れない、イライラする、気分が晴れない、怒りっぽくなっている、自虐的になりやすい、不安感にさいなまれる、自信喪失など、主たる身体の病変の陰に隠れやすい不定愁訴と呼ばれる症状は、よく話をお聞きすると、実は・・・という形で出てきます。

 反対に、身体的な病変が収まり、痛みが減ったり、検査数値が改善していくと、それらの症状も軽減していき、なにより表情に明るさが戻り、目に輝きが出てくるのです。

 「調子はどうですか?」と聞いて、返事を聞くまでもなく「ああ、この人は、治療が功を奏しているのなだ」という感触が得られます。

 「おかげさまで」という言葉を聞いた後「先日、いらいらして、気分がすぐれないと言ってたけど、最近どう?」と正すと、「そういえば、近頃そうでもないなぁ」と笑顔で帰ってきます。

 ここまでのお話は、心と体は決して別々のものでなく、身体的な不調は、心の乱れも生じさせるという関係性を知っていただくためのお話です。

 さて、身体的な病変は、治療によって改善にむけ取り組んでいくことができるため、それが起因する精神的変調に対しては、自覚症状が激しくない場合は、観察しつつ、身体的病変の治療を重点に置き、時に安定剤や睡眠導入剤、抗うつ剤などが処方に加わることで、乗り越えていくことができるわけです。

 いよいよ、ここからが今回のコロナ騒動のお話。

 信頼がおける時代のWHOが行った健康の定義は、身体的も、心も、そして社会的にも良好な状態を健康というものがあり、40年以上前、薬学生であった小生は、公衆衛生学の教授の講義で感動したことを覚えております。

 それで、このブログのタイトルにも、その一節を取り入れているのですが、社会的にも良好という状況が、一挙に崩壊したのが、今回の新型コロナウイルスの感染流行です。

 原因は感染症ですが、それを防ぐために、日常生活を著しく抑制的に送らねばならなくなりました。それにも増して、感染への恐怖、現実的な死に対する不安、海外の悲惨な状況という負の要因溢れる情報にさらされました。

 それに加え、生きるために不可欠な経済活動の停滞、仕事を失うかもという重圧、会社を店を閉めねばならぬかもという厳しい現実。

 今年の元日、新年の祝いをしたあなた、このような事態が、世界的に、そして自分自身が身を置く社会に生じると予想できていたでしょうか?

 自分一人の努力や取り組みで、また自分の周りの小社会(家族や会社や地域など)が改善活動を行うことで、解決のつく問題でないだけに「一体どうなっていくのだろう?」という不安を打ち消すことは簡単ではありません。

 このように、自己解決不能な大きな範囲で、さらに新型というまだ解決策(ワクチンや治療薬)がない状況のような社会的困難な課題が生じたことで、私たちが生きてきた中での経験値では推し量れない、不安要素満載の精神的なストレスにさらされている日々なのであります。

 このように、大きな歪み圧力を受けながら生活を送っている私たちは、気を付けなくて、ほんの小さな引き金で、心の病気が始まって参ります。

 たとえば、毎日マスクを着けることは、顔を覆い、若干ではあっても呼吸に負荷(息苦しさ)を与え、さらに、耳にゴムをかけて引っ張っているという、普段は、それぞれが身体的な病変を引き起こすほどではないわずかなストレスが引き金となって、鬱(うつ)の前駆症状を引き出してくるのであります。

 とくに、人は生物の基本的な本能として、異変に対する耐性を持ち合わせているので、想定外の大事が生じても、徐々に心的パニックは落ち着き、平常に戻っていくことができます。

 東日本大震災も、阪神大震災も、起きた瞬間はこの世の終わりと感じるほどの強大な精神的ストレスを受けましたが、これらの天災は、どんな大きな被害も、振り返ってみれば、短時間のなかに激甚被害が生じ、その後は復興のため長い闘いの日々(それがある意味の日常)に移っていくのです。

 ところが、この感染流行は、令和2年の5月末時点では、いつ完全収束するのか、いつワクチンができ、治療薬ができるのかはわからない状況が続いており、第2波や3波への恐れも抱きつつ、もしかしたら、もうコロナ以前には戻れない新たな社会秩序の元に暮らし続けなくてはならないのかという、ずっと行先の不透明さの中に身を置いています。

 インフルエンザの流行期間だけマスクを着用していればいいと思えば、その地域で2-3週間のマスク着用は心の病的異変に移行するほどのストレスにはなりません。

 しかし、マスク着用が解除されるのは、いつの日か分からいまま、しかも最近は出回ってきたものの、着用励行と掛け声はかかりながら、手に入れることも難しい状況にさらされたりする異種ストレスも加わり、現在私たちは、じつに「息苦しさを感じる」気分を持ちやすい日々を送っているのです。

 心の病は、正常と病の間が漠然としており、いわゆるグレーゾーンが幅広いので、精神科のお医者さんやカウンセラーの方によって、対応が異なってきます。
 初老薬剤師くにじぃとしては、向精神薬と呼ばれる種類の薬に早い時期から頼ることは、あまりお勧めしたくありません。

 副作用として、眠気や脱力感、気力減退などが見られたり、依存性があるからです。

 日常生活に支障のある症状、不眠・感情の制御がきかない、不安に耐えがたいなどの場合は、軽度の向精神薬の服用で治療する目安になると思います。

 心の病は昔からあって、そのための漢方処方も存在し、しっかりとした効果もありますので、まずは心の修復剤として服用してみることをお勧めします。

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