「あなた、どんな手帳をお使いですか?」
こうやってお聞きすると、手帳を使っている人は、システム手帳ですと答えの帰ってくる時期がありました。
山根一眞氏がファイロファックスを紹介した本がベストセラーになったのが、1986年(思えばもう30年以上前)。
書名は「スーパー手帳の仕事術」
その本を手にする前に、文芸春秋の広告で一冊36000円の手帳が掲載されているのを目にしてはいました。
その時の感想は、「バブル景気とはいえ、手帳に36000円…世も末だ」というのが正直なところ。
しかし、「スーパー手帳の~」を読んだのが運の付き。
世に、バイブル商法というのがあります。
以前アガリクスの効用を”癌に効く”と霊薬のごとく喧伝した本が、特定アガリクス商品の違法販売を助長するために発行されたということで、関係者が逮捕されました。
活字信奉は揺ぎ無いものがありますなあ。
なにしろ、朝日新聞の一面の下に、くだんの書籍が広告を載せたそうだが、その宣伝だけで購入を思い立った人も少なくなかったそうな。
山根氏を香具師の一味とは申しません。「やまねし」から「まね」を引けば「やし」になるって?
うふふ、そりゃあんまり。
書斎・情報・デジタルといった分野のカリスマ山根氏が情熱で語るファイロファックスの魅力にすっかりととりつかれた小生は、財布を握って文房具屋に飛び込んだのでありました。
ところがどっこい、田舎の文房具屋には、この先大ブームになろうかというファイロファックスの存在を知っている者は誰一人おらず、もちろん取扱いさえしていなかったのであります。
ここで出てくるのが、やっぱりデパートという話。
県庁所在地にその存在感を今もゆるぎなき、トキハデパート。
別にトキハデパートを称えるのではないのです。
デパートの持っている使命感の素晴らしさを誉めたいと思います。
市内の文具屋巡りで疲れた私は、次の日曜日、それほど期待をもたずにトキハデパートを訪れました。
文具売場に足を踏み入れた瞬間、あった!ありました!
中央にしつらえた展示スペースの中央に、紫色のベルベットの上にうやうやしく置かれたファイロファックス様。
通信販売で買う勇気がなかった私でも、手にとり、肌触りを感じ、その存在を一度自分の目で確かめると、もう決まりです。
さっそく近くの店員さんに声をかけ、「これ貰おうか」とファイロファックスを指差して言うと、その反応が忘れられません。
驚いたように私の顔を見つめる若い店員。
「しばらくお待ち下さい」と言って、数分後、たぶん売場主任であろう四十代の上司を連れてきた。
「お買い上げ有難うございます。実は、このお品、ここに展示しているものしか在庫がございませんが、これでよろしゅうございましょうか」
「だったら、仕方ないね。これを頂戴」と私。
それから見ていても気の毒になるくらい、二人があたふたとして、箱に入れ、包装をする様子を私はある想像をしながら見つめていました。
う~~ん、長くなった。
本題のシステムダイアリーとファイロファックスの使い分けにまで、なかなか行き着きません!
熱に浮かされたように、2年ほど使用したファイロファックスでありますが、段々と持て余すようになってきたのが、その大きさであります。
しかも、しっかりした超厚手の革製なので、重い!
移動の際に手がふさがるため、バッグに入れると、出して開くのに時間がかかるため、スケジュールの確認、追記、思い付きをメモなど瞬間的に対応したい動作が取れないため、後回しになり、書き込み忘れが頻発するようになったのです。
さっと出して、さっと確認。ささっと出して、ささっと記入。
それができるためには、胸ポケットに収まるサイズ。
行きついた究極の手帳が、
システムダイアリーなのでございます!
出たーー!と思われた方も少なくないはず。
今やマイナー手帳界の代表選手のような扱いを受けているのが、SDことシステムダイアリー。
しかし、今でも、この手帳の素晴らしさは骨身にしみております。
なんといっても、大きさが最高。
まさに、ポケットサイズ。
といって、記入するスペースさえ確保できないミニ6穴よりも大きく、バイブルサイズのように携帯不能なでかさでもない。
私にとって、ワイシャツの胸ポケットに収まり、思いついたら数秒で作業に入れるこのサイズは他に類を見ません。
そう、普通の能率手帳と同じ取扱のできるサイズ。
それでいて、システム手帳。
それでいて、情報カード。
でも、なぜ現在メインで使用していないのか。
一番が、手に入りにくいのです。
メーカーのナラコム(当時)が手帳メーカーの責任として、継続安定な商品供給を謳いあげて発売開始したはずなのに、実際には非常に手に入れにくい品物になっていました。
その後、経営者さんが変わり、時代も簡単にネット注文できるようになり、素晴らしい時代になりました。
30年前、取り扱いの店は近所になく、はるばる足を運んで、県庁所在の大きな文房具店に行っても、小さなコーナーで、欲しいリフィルやバインダーは欠品だらけ。
わざわざ東京出張の用事を作り、ナラコムさんへ直接訪ねたこともありました。(とても小さな事務所で、品切れも多く、今の素晴らしいレスポンス体制とは大きく違っておりました)
が、しかし、日本全国に、これではないとダメじゃという、コア・マニアックなファンに支えられていたんですわ、この手帳。
心底からの熱烈ラブコールをおくりながらも、いきなり欠点から話しますと、そう、この皮製バインダーの耐久性が悪い。
使いやすいので、とにかく毎日あらゆる場面で活躍します。
すると、すぐに革がへこたれてきます。
バインダーをオーダーメイドし(革細工職人さんに)、リフィルを印刷屋に発注すれば解決するのでしょう。
そして、システムダイアリーの特徴である8穴金具だけを買い求める(なんと、そんな部品も売ってるんです)
何度もそう思いました。
でも、世の中にはすぐに手に入るものが、そこまでの労力を費やさなくても、立派な手帳が商品としてあるのですから。
ついつい目移りして、A5サイズのシステムファイルや蝶整理手帳にと浮気をしてしまったけれど、結局システムダイアリーに勝る手帳に出会いません。
そして、今は一番普及しており、一メーカーだけの盛衰に関係なく存続できるバイブルサイズで暮らしています。
身に付けることのできるサイズこそ、全てに勝るのです。
胸ポケットに入る。この素晴らしさ。
自分が意識していなくても、トイレにも、レストランにも、ジョギング中にも、いつでも一緒にいてくれる手帳でないとならないのです。
独自のサイズ。独自の穴数(8穴)。
すでに売り切れになって久しい8穴パンチですが、一度購入したけれど、現在行方不明になっており、それだけが不便。
もし、手帳遍歴をされて、いいものがないかとお探しの方は、このブログの別項でシステムダイアリー活用についてご説明するつもりですので、ぜひ、お目通しを!
革がへたりやすいなどと、いきなり申しましたが、ここでちょっと訂正。へたるのではなく、味わいが出るのであります。
やっぱり、システムダイアリーは、革製のバインダーがお勧めです。
面白そうだから購入してみようかと思う方は1度、下のショップを覗いてみてくださいませ。
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